iDecoのメリットとポートフォリオ
本日は近年話題の個人型確定拠出年金(iDeco)について、始めようかと思っている方、口座開設したが、何を選べばよいかわからない方向けに書きたいと思います。
iDecoとは
まず、iDecoとは、個人型確定拠出年金(individual-type Defined Contribution pention plan)の頭文字をとって付けられた愛称です。現役時代に積み立てた掛け金を運用し、引退後に受取るという制度で、いわゆる年金です。
全員加入の国民年金を1階、それに加えて会社員加入の厚生年金を2階、さらに加える形で加入する年金のため、3階部分と言われます。
ややこしいのが、一言で年金と言っても、前述の国民年金、厚生年金や、保険会社が販売する個人年金保険(外貨建てが流行っていますね)、国民年金基金など、多くの種類があることです。
その中でも、iDecoは以下の特徴があり、会社員では特に優先して検討すべき金融商品です。
1.税制優遇がある
これが最大の特徴であり、特長です。年収500~700万円の平均的な会社員の場合、所得税20%*1+住民税約10%=約30%が控除されます。
つまり、年利30%の最強の金融商品となります。23,000円/月の上限がありますが、個人年金保険に加入するより断然お得です。
ちなみに、こどもの保育料は住民税を基に算出されるため、iDeco加入により、住民税が下がる結果、さらに保育料も下がる場合があります。約15,000円下がるケースもあり、年利95%に達します。(笑)
なお、フリーランスの方は、iDecoと並んで、小規模企業共済*2もオススメです。
2.確定拠出型
2つめの特徴が、将来の給付額があらかじめ決まっている「確定給付型」ではなく、拠出額が決まっている「確定拠出型」であることです。
そのため、拠出金をどの金融商品に投資して運用するかを、自ら選択する必要があるということです。
定期預金を選択することも可能ですが、金融庁の指導もあり、優良商品が揃っているので、投資信託への投資がオススメです。
商品を選択するポイント
大事な年金ですので、ベターな商品を選択したいところですが、ネックとなるのがその種類。運用コストがかからず人気な金融機関でも、マネックス証券は23、楽天証券は32、SBI証券ではなんと63の商品が取り扱われています。(2018/7月末現在)
以下をポイントとして選びましょう。
1.信託報酬が安い
長期の運用では、手数料(信託報酬)がすべてです。例えば、1000万円を年利5%と、手数料1%がかかり4%となった場合の40年後の運用結果は以下の通りです。
5%・・・73,584,174円
4%・・・49,398,712円
差分・・・24,185,462円
2.分散投資をする
景気には波がありますので、優良企業であっても倒産することはあります。そうするとその会社の株券は紙屑になってしまいます。しかし、100社の株式を持っていれば1社が倒産してもさほど影響はありません。いわゆる分散投資というものです。同様に、負の相関関係を持つ株式と債券、経済情勢や地政学的リスクの異なる国内と外国の資産を組み合わせることで、よりリスクの低いポートフォリオを組むことができます。
「老後のあてにしていた年金が全部パーになった」、なんてことになると、困りますからね。
私のポートフォリオ
以上を考慮して、SBI証券における私のiDecoポートフォリオを紹介します。ご参考になれば幸いです。(%はポートフォリオ中の配分、カッコ内は私の評価損益率)
①国内株式 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
20% (+0.41%)
②国内債券 三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)
10% (+0.11%)
③海外株式 DCニッセイ外国株式インデックス 40%
(+11.26%)
④海外債券 三井住友・DC外国債券インデックスファンド 10%
(+0.52%)
⑤海外株式 EXE-i 新興国株式ファンド 10%
(+1.68%)
⑥内外株式 EXE-i グローバル中小型株式ファンド 10%
(+8.17%)
【選定理由】
というポートフォリオになっています。
①三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
配当込みのTOPIX(東証1部上場全銘柄)と値動きが連動するように運用されているファンドです。信託報酬は0.16%と、日経225と連動する「ニッセイ-DCニッセイ日経225インデックスファンドA」より低いです。
NOMURA-BPI総合(日本債券市場の代表的な指数)と値動きが連動するように運用されているファンドです。信託報酬は0.12%とSBIの投信中で最も低いです。国内債券は「野村 日本債券ファンド」もありますが、アクティブファンドのため、信託報酬が4倍以上です。
③DCニッセイ外国株式インデックス
配当込みの先進国のインデックスと値動きが連動するように運用されているファンドです。為替リスクヘッジがない分、信託報酬は0.189%と抑えられています。
④三井住友・DC外国債券インデックスファンド
日本を除いた先進国の国債インデックスと値動きが連動するように運用されているファンドです。為替リスクヘッジがない分、信託報酬は0.21%と抑えられています。
⑤EXE-i 新興国株式ファンド
ハイリスク・ハイリターンが見込める新興国に投資するならこちら。信託報酬は0.23%と、新興国にしては低く抑えられています。ただし、ファンド・オブ・ファンズ方式のため、厳密にはインデックスではありません。
⑥EXE-i グローバル中小型株式ファンド
ハイリスク・ハイリターンが見込める中小型株に投資するならこちら。信託報酬は0.23%と、抑えられています。ただし、こちらもファンド・オブ・ファンズ方式のため、厳密にはインデックスではありません。
*1:その他の所得金額に対する税率は、以下を参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
*2:
両者の比較については以下が詳しいです。